【とにかく姿勢が崩れる優等生Cくん】
とある小学校で発達凸凹専門支援員をやってます。
【とにかく姿勢が崩れる優等生Cくん】
彼はとてもお勉強の良くできる子です。
ドリルの時間になると、一心不乱にやって、
先生のところへ持っていきます。
テストもほぼ100点。
宿題もきっちりやってくる。
授業でもどんどん手を挙げる。
しかし、かなり気になる子でした。
まず、椅子にきちんと座れないのです。
何度注意されても、
背中がグニャリと曲がったり、
椅子の背もたれの上に座ったり、
立て膝をしていたり。
はじめは「背骨曲がっちゃうよ」など
声かけをしていたのですが、
次の問題。
彼はとても反抗的でした。
私が横にくるとわざと消しゴムを床に落とし「お前が落としたんだから、拾え」。
態度悪すぎー🤣
そんな感じですから、
私も最初はあまりそばに近づけませんでした。
でも、そんな態度では当然友達ともトラブルになります。
そして絶対に謝りません。
「自分は正しい。自分はできる。」という有能感が強すぎるために、
人をバカにするような言動が多くなるのです。
そんな彼を観察していたある日のこと。
授業参観があり、その理由が少し見えた気がしました。
彼は、いつになくビシッと座っていました。
なるほど、やっぱ授業参観だとそうなる訳ね😓
見ていると、彼の横にお母さんが立ちました。
何を話しているか分かりませんでしたが、
彼は明らかに、怖い表情のお母さんに緊張している様子でした。
お母さんが何かを話し続け、
彼は俯いて、何度もうなづいていました。
こんな話を聞いたことがあります。
お笑い芸人の親は厳格で真面目な人が多いのだと。
厳しく育てられると、
子供は大人に笑って欲しくて
人前でおどけたり、ヘラヘラしたり、
面白さを演出するようになると。
Cくんも、授業で先生に当てられると、
わざとふざけたりするタイプでした。
お母さんとの様子を見た時、
彼は家では緊張していて、
学校ではその反動で緩んでしまうのかも、と思えました。
おそらく彼は怒られ慣れているのでしょう。
だから何度注意されても聞く耳を持たない。
そんな彼を観察して、ずいぶん時が経ってから私は気づきました。
Cくんは"認められたい"のかもしれない、と。
それからは、Cくんの閉じてしまっている耳を開こうと、
折を見ては、少しずつ彼のできていること、優れていることを言葉で具体的に伝えていきました。
さらに、家では何をして遊んでいるのか、習い事は何をしているのか、
など、彼のことを少しずつ聞き出していきました。
ある時、彼が椅子の座面にしゃがんでいました。
剣道を習っているというのを思い出し
「それは蹲踞の姿勢だね。
剣道の試合前の大事な姿勢だね」
と言うと、さっと座面に座り直したのです。
思わず「よし!」といってしまいました☺️
彼は自分の頑張っていることを
ちゃんと認めてほしかったのかもしれません。
ただ。
一番認めてほしいのはお母さんなのかもしれませんが。
私にも覚えがあります。
かつて息子にはもっと、もっとと要求していましたから😂
1年が終わる頃、ようやくCくんから
話しかけてくれたり、
何かを聞かれるようになりました。
それにしても、相変わらず時間がかかります😅
でもこういう一つ一つの積み重ねが大事。
これが今の私の実力。
それを認めて、進んでいこう。
支援はまだまだ続く…