小学校支援員ねずママ子ども成長応援日記♪

現役特別教育支援員の小学校通常級での支援記録です。

自分を認めてほしいと命懸けで訴える子供。

とある小学校の通常級で発達凸凹支援員をやってます。

日々の支援の中で感じたこと、考えたことをつれづれに綴っています。

 

昨日衝撃的な体験をしました。

I君という2年生の男の子のことです。

彼は、活発でよくおしゃべりする男の子です。

誰かに何かされたり、誰かがいけないことしてることなど、1日に何度となく先生に訴えかけに行きます。

彼の訴えはつまり、「僕はいい子でしょ?悪くないでしょ?」という趣旨のものや体調不良がほとんどです。

まぁ、困ったことを相談できるのはいいとして、それにしても頻繁にヘルプを出し続けるので、先生はたまったものではありません。

そのうち私にもその訴えをしてくるようになりました。

気になる行動だったので、彼を注意深く観察することにしました。

 

すると、どうやら彼は自作自演をしてまで、先生に訴えに行っていることがわかって来たのです。

 

自分の靴をゴミ箱に入れて、「誰かが靴をゴミ箱に入れた!」と先生に訴えに行くわけです。

 

また、放課は元気に走り回って遊んでいたのに、嫌いな授業になると途端に「気持ちが悪い」と言って保健室に行ったりしていました。仮病あることは明らかでした。

 

要するに注意を惹きたい、構ってほしい、心配してほしい気持ちの表れなんだなと思い、私は彼にはなるべく話しかけて、良いところを褒めたり、認めたりする言動を、繰り返しました。

 

しかし、担任の先生は当然それに付き合えるわけもなく、繰り返し出される訴えに辟易されていましたので、今では彼の訴えをスルーしたり、「自分には悪いところがないのか考えてみなさい」と諭すようになりました。

 

そして昨日、例によって私に「気持ち悪い」と言い、えづき出したのです。

 

さっきまで外で元気に走り回っていたのに…と思いながらバケツを手渡しました。

 

すると、少しだけ唾液を出した後にお茶を口に含みました。

「気持ち悪いのにお茶が飲めるのかな?」と少し離れたところで見ていると、口に含んだお茶をバケツに吐いたのです。何度かお茶を口に含んでは吐き出していました。

 

そしてその直後、自分の人差し指を喉の奥に突っ込むと、今度は本当に吐きました。

そして、彼は私に担任の先生を呼んでほしいと訴えたのです。

彼を保健室に連れて行き、ひとまず休ませました。

その後給食に戻ってきた彼は、元気に完食していました。

 

私はとてもショックでした。

正直これはまずいと思いました。

すぐに担任の先生にも報告すると、以前からよく吐いていたので、そういう体質なのかと思っていたとのことでした。

 

彼は自分を傷つけてまで自分を見て欲しい、関わって欲しいと訴え続けているのかと、衝撃を受けました。

これは彼がこれまで8年間に積もり積もった適切な関わり不足の現れなのではないかと思いました。

 

今はまだ2年生なので、親御さんが学校にも無理矢理送り出すことができたとしても、そのうち自我がしっかりしてこれば、学校にも来なくなってしまうのではないか、もっと酷い行動が出てしまうのではないかと、心配でなりません。

 

これまで私はなかなかヘルプが出せない自閉タイプの子たちに注目しがちでしたが、ヘルプも出せるし、友達とも楽しく遊べてコミュニケーション能力も高い子の深刻な心の闇を目の当たりにしました。

 

私は家庭事情が分かりませんが、これは学校だけでも、家庭だけでも解決できる問題ではなく、彼を取り囲む環境全てで知恵を出し合って適切な対応をし、彼の心の傷を癒し、問題行動を減らさなければいけないと思いました。

 

私は微力ながら、彼にできる限り寄り添い、彼の言いたいことを先生方に通訳し、良い言動をひたすら認めていくことに尽きます。

 

これはあくまで個人的な判断であり、専門家の方に聞けばもっと違う解決法があるのかもしれません。

ともかくこのような問題があることが、多くの人共有されればと思い、記録しました。

 

今日も支援はつづく…