小学校支援員ねずママ子ども成長応援日記♪

現役特別教育支援員の小学校通常級での支援記録です。

困りごと②【教室を飛び出してしまうAくん(小1)】

小1マイペースな男の子A君のお話。

 

次の困りごとは、

A君は自分の思い通りにならないと

教室を飛び出してしまうことです。

また、思ったことをすぐに口に出してしまいます。

先生が喋っていようと、割り込んで聞いてしまう。

答えを勝手に答えてしまう。

しかも大きな声で。

そして、思い通りにならないと、感情が爆発して、泣き叫び教室を飛び出します。

 

彼には周りが全然見えていません。

そして先生の話で気になったキーワード以外、聞こえなくなってしまうんだね。

 

だから彼は先生にも友達にも「喋るな」「うるさい!」などとよく怒られます。

 

突然怒られて、彼は当然パニックです。

思ったこと言っただけなのに、周りはなぜあんなに怒るんでしょう。

彼はさぞや不思議で悲しかったことでしょう。

泣きながら猛ダッシュで教室を飛び出していきます。

時にはお友達にパンチしてしまいます。

 

そんなA君でしたが、ある日またもや教室を飛び出したA君に、学校の教務の先生がいいました。

「いい?悲しくなっちゃったら、この会議室前の廊下に泣きにきていいよ。

ただし60を数えたら教室に戻るんだよ^^

授業中だもんね。

A君がどこへ行ったか分からなくなっちゃったら、先生たちとても心配でしょう?」

A君はとっても素直にうなずきました。

ルールをきっちりと守る気質のA君は、

この後から言われたことを忠実に守ったのです。

 

私は、この教務の先生の対応にとてもシビレました。

彼の特質を理解し、けっして怒ることなく、ルールを簡潔に伝えて、問題行動を一瞬で減らしたからです。


たしかに飛び出してしまうことは困ります。

でも、彼に「教室を飛び出してはいけません」と叱ったところで、きっと聞かなかったでしょう。

まずは、学校として一番困る「校内迷子、校外への脱走」のリスクをなくすこと。

そして何より彼の気持ちが落ち着けること。

落ち着いたら教室へ戻らなければならないこと。

段階を経て問題行動をなくしていくステップが重要なんだと、とても勉強になりました。

 

ダメなところを(大声で)叱るという行為は、たしかに一瞬は子どもたちの動きを止めます。

ただ、即効性はあるけど持続性がないし、何より子供たちの信用をなくします。

私自身、子供が小さい時はずーっと怒鳴っていました。

違反を見つけては笛をならす警官のようでした。

「何度言ったら気が済むの!」になり、

「もういい加減にして!」になり、

しまいにはお尻をパカーン!

叱り方はどんどん湿り気が多くなり、

子どもを追い込んでしまいます。

 

よく電車や公共の場所で叱れないお母さんを責める風潮がありますが、ただ叱りつけても子供の行動はけっして変わらないのです。

子どもも人間です。

大人の方が偉く、子供は劣っているのではありません。

適切で尊厳をもった言葉と態度で接することが必要だと私は思っています。

子どもだからと言って大人の都合を押し付けてはいけない。

小学1年生でもきちんと分かりやすい言葉で伝えれば理解ができるのです。

その子にとって何が適切か、伝えるタイミング、伝える量などを見極めることも

大切なんだなとだんだんわかってきました。

 

日々勉強、だから面白い。

 

そして今日も支援は続く…