小学校支援員ねずママ子ども成長応援日記♪

現役特別教育支援員の小学校通常級での支援記録です。

困りごと①【指示が通らないマイペースなAくん(小1)】

指示が通りづらいマイペースな男の子Aくんのお話。

まず困ったのは、「連絡帳が決められた時間に書けないこと」でした。
朝、黒板に先生が書く明日の宿題や連絡事項を連絡帳に写して、先生に出します。
周りの子は決められた時間に数分で書き終わるところ、彼はお昼になってもまだ書けない。
下手すると何も書かずそのまま帰るなんてことも…
 
ひょっとして黒板と連絡帳を交互に見ながら板書するのが難しいのかな?
 
専門的には目と手の協応がうまくいかないということのようですが、親御さんが障がいについてまだ理解されていないようで、視知覚の検査もされていません。
 
まずは私が自分の付箋に写し、連絡帳の横に置いてみました。
すると彼は黒板ではなく、付箋を見ながら写し始めました。
やはり並んでいた方が見やすいよね😊
 
書き終わった彼に”よく書けたね"と私のノートに花マル💮を書いてあげました。
とっても喜んでくれたので、何日か続けました。
すると、彼は自分から花マルを欲しがるようになっていきました。
欲しがったところを見計らって、
すかさず「花マルチャレンジ、やってみる?」と聞くと、「うん、やる!」と言ってくれました。
「じゃあ今度は時計の針が8になるまでに書けたら、スーパーマリオのきのこポイント!」と💮ではなく、彼の大好きなマークに変えてみました。
 
この💮チャレンジは、養成講座時代に教えていただいた方法です。
トークンエコノミー(ご褒美療法とも)と言われているようです。
 
彼が好きなもの、欲しがるポイント(ご褒美)を適切なタイミングで、的確に出さなくては効果がなくなってしまうので、彼との雑談の中からストックしておくようにします。
知らないものはネットで調べて書けるように練習しました。

中には全く興味を示さない失敗トークンもありました。
最初は喜ぶけど、飽きてしまうものもありました。
同じことをやっていてはだんだん子供は飽きてくるのです。
トークンエコノミーは、ニンジンをぶら下げるようで異論を唱えられることも多いようですが、私自身はわが子にもやってみてとても成果が出ました。
ただし、継続、観察、改善を粘り強く行わなければならないのでとてもシンドく、忍耐と覚悟がいります(;´Д`A ```

子供をよーく観察し続けて、適切なごほうびを約束通りに与えなければ、効果はあっという間になくなり、むしろ状況が悪化します。
忙しい、面倒など大人の都合で勝手にルールを変えたり、やったのにあげなかったなんてことが1度でもあると、完全に失敗します。
やり方を間違うと、むしろ害になってしまうこともあるので要注意なのです。

結論から言うと、約1年経った今ではAくんは花マルがなくても連絡帳が書けるようになりました。
永遠にご褒美を与え続けなければいけない、増やし続けなければいけないわけではなく、彼が必要な行動を自分のものにできれば(やることが当たり前になれば)、ごほうびなんてなくても、自然とできるようになるんですね。
そこまでのはひたすら工夫しながら支援続けていくしかないのです。
 
そして一番大事なのは、支援のやめ時。
彼が自分でやろうとしているのに、支援を続けては、依存が生まれます。
かといって、いきなり止めてしまっては元に戻ってしまう。
その瞬間を見極める。
 
私はそれがまだうまくできません。
やってもらうのを待っている子を作ってしまうのです。
この1年、それを強く反省しました。
とにかく焦らずに繰り返し経験を積んで、感覚を身につけていくより他ないのかもしれません。
いつか考えなくても適切な支援ができるようになれたら、ワクワクします😊
 
そして今日も支援は続きます。