【事前の環境設定が大事。】
とある小学校の通常級で発達凸凹専門支援員をやってます。
日々の支援の中で感じたこと、考えたこと、伝えたいことをつれづれに綴っています。
今日授業中に、いつも支援しているA君が激しく泣き出しました。
使いたい道具が人にとられてしまって使えなかったからです。
先生から「Aグループの人の中で2名はブロック、残りは粘土を使ってね」という指示が出たので、みんな一斉に自分のほしい道具に飛びつきました。
行動がスロー気味のA君は案の定出遅れ、使いたいブロックを持っていた女の子の前で号泣です。
すると、バツが悪くなった女の子はA君に自分の持っていた道具を渡しました。
A君はすぐに泣き止み、ゴキゲンです。
うーん。。。。
このままではその女の子にとっても、A君にとっても良くないことはあきらかです。
このクラスの女の子は世話好きが多く、A君のみならず困っている子がいると遠くからでも飛んでいって助けます。
本当にすばらしいことです。
おそらく大人が助けるのを見てマネをするようになっているのだと思います。
しかし、これではA君は「大泣きすれば自分の思い通りになる」ということを学習してしまいます。
女の子の方は、本当は自分も使いたいという主張を押し殺してしまいます。
これは譲り合うという精神とは全く別物です。
本来であれば、使いたい人がみんな手を上げて、公平に決めるということを覚えていかなくてはいけないと思います。
ただなかなか低学年では、欲望が勝ってしまうので、とっさに体が動いてしまうケースが多いです。
ここは先生との連携が必要となりますが、はじめから「じゃんけんや話し合いで決めて」とか、「番号順で」という指示が出ていれば最高です。
もしそうでなければ、事前にA君や周りに「公平に決めるにはどうしたらいいかな」と声掛けしておくこともいいかもしれません。
おそらくこういうトラブルは保育園や幼稚園の方が頻繁に起こるので、先生方が対応上手なのかもしれません。
小学校では、「こんなこと当然できるだろう」と先生方が思われるためか、トラブルが起きて先生が怒るというパターンがよくある気がします。
今回のように、発達凸凹の子が「わがまま」と周囲から思われる行動を放置されたり、責められたりして、本来学ばなければならないことを知らずに歳を重ねてしまうのはとても危険なことです。
周囲の通常発達の子でも、言いたいことが言えず我慢して適応することを覚えこむことも良くないなと思います。
大人は「この歳ではこんなことはできて当たり前」という期待値を大きく下げて、しっかりと社会スキルを覚えることを先決にしなくてはと思います。
今日はとっさの判断が鈍り反省(:_;)
今回のケースを活かし、次につなげたいと思います。
そして明日も支援はつづく・・・